汚れちまった悲しみに
人生とは積み上げていくものなのだろうか。
お金を得て貯金額を積み上げていく。キャリアを積み上げていく、
人望を積み上げていく。家庭を持ち、家族との時間を積み上げていく。
他にもたくさん積み上げていくことはあるのだろう。
では、僕は人生で何を積み上げてきたのだろうか。
お金は、今まで働いてきて、わずかばかりではあるが少しだけ積み上げてきた。
キャリアはほとんどない。友人との交友も最近は減ってきており、恋人もいないので人望もない。
温かい家庭を持てそうな気配もない。
書いてて悲しくなってきたが、どうやら僕は今まで積み上げてこない人生だったらしい。
大人になり、社会に揉まれ、気付いたら若いとも言えないような歳になってしまった。
人が死を選択する時というのは「自分の人生には何もない」と悟った時なのだろうか。
今まで自殺と言う悲しい選択をしてきた人たちは、最期の時はどういう気持ちだったのだろう。
僕にはその悲しみは計り知れない。しかし不謹慎かもしれないが、その悲しみは雪のように綺麗な気がする。何の濁りもない透明な川のせせらぎのように。
でも、できればその綺麗な悲しみに溺れて死を選ぶのではなく、
踏みとどまって生きるという選択をしてほしい。
生きるということ自体美しいこと……のような気がする。
今、気持ちの安らげる人と会いたいな。
今週のお題「会いたい人」