ミニにタコ

純文学作家志望者がつらつらと雑記を書き連ねます

スティックマンにチープな夢を

アメリカで白人警官が黒人を押さえつけ、その際に死亡したことが大きな社会問題になっている。

日本でもテレビやSNSなどで取り上げられ、「人種差別は良くない」ということが改めて叫ばれている。

 

人種差別が良くない、というのは今更言うまでもないことだとは思う。

だが、皆さんからお叱りを受けそうだが、正直なところ自分はピンときていない。

いや、人種差別自体は良くないと思うのだが、自分は今まであまりそういったことを経験してこなかったからだ。

 

僕は海外で暮らしていたこともないし、日本が多民族国家という認識も薄い。

今は関東在住なので、アイヌの人たちと接したこともないし、その他の外国人と接したこともほとんどない。

最近はコンビニやマクドナルドなどで外国人を見かけることが多くなったが、ただ客として買い物をするだけなので、密な付き合いをしているとは言い難い。

人生のほとんどを日本人とだけしか接したことがないので、どうにも人種問題について実感がわかないのだ。

 

ただ、twitterで一般人の黒人が今回の問題について議論している姿を見ると胸が熱くなった。

彼らにとっては人種差別とはとても身近なもので、改善していかないといけないものなのだ。

(もちろん黒人だけでなく、日本人も欧米に行ったら差別的な対応をされることもあるのだろうが)

 

そういった中で色んな団体が「人種差別反対」を主張している。

それこそ、アイドルやアーティストなども。

 

しかし、その中でも「本気」の人たちがどれだけいるだろうか?

勝手に決めつけているようで恐縮だが、今まで差別されたこともない人間がニュースを見ただけで「人種差別反対」を唱えるところをみていると、どうしても違和感がある。

あまり言いたくはないが、自身のイメージアップのための主張にしか見えないのだ。

 

「やらない善よりやる偽善」という言葉があるが、今回に限っては少し違うように感じる。

実際に募金やボランティアした場合は、それが誰かのために役立っていると思うが、

ただ言葉を唱えるだけでは何も変わらない、という気がする。今回のような人種差別問題は特に。

 

「じゃあ、お前はどうなんだよ?今回の問題について何かしたのかよ?」と問い詰められそうだが、今回の問題について僕は傍観者である。

何かしたいという気持ちもあるが、普段人種差別に無縁な人間がこの深刻な問題について安易に踏み込んではいけないという気持ちのほうが強いのだ。

 

本当に、外の世界のことがわからない。自分がどうすればいいのか。

ただ、「人種差別反対」を唱えるアイドルたちを見ると、もやもやとした感情だけが僕の中で残るのだ。

僕はラインを越えてたしかめたいことがあるよ。

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今週のお題「外のことがわからない」