ミニにタコ

純文学作家志望者がつらつらと雑記を書き連ねます

戦場のメリークリスマス

今年も残るところあと二日。

みなさんはどんな一年でしたでしょうか?

どうぞ悔いのないように2020年をお過ごしください。

 

さて、前の日記にも書きましたが、クリスマスはいかがお過ごしだったでしょうか?

硬派な僕は「巨人の星」の第92話「折り合わぬ契約」を観て号泣しておりました。

 

ストーリーを説明しますと、野球一筋の星飛雄馬がライバルの黒人野球選手・オズマに

「お前は人間ではない、俺と同じ野球しか知らない野球ロボットだ」と揶揄され、飛雄馬はそれに反発。

クリスマスも近かったということもあり、自分が人間であることの証明として、

雄馬クリスマスパーティーを開こうとします。

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巨人の同僚の伴忠太、ライバルの左門豊作、花形満、それと明子ねえちゃんを誘います。

ところが伴は、

「野球以外何もいらんと誓ったあの野球ロボットの星飛雄馬はどこへ行った!何がクリスマスじゃい!」と叫び、パーティーは不参加。

 

左門はクリスマス当日に、弟たちに「星飛雄馬クリスマスパーティーに誘われていたが行かなくてよいのか?」と問われ、お前たちのほうが先約だったから、と返答。

弟は満面の笑みを浮かべながら「星飛雄馬なんてやめとけやめとけー!」と辛辣な一言を放つ。

もちろん不参加。

 

花形もチームの同僚に「星のパーティーに行くのか?」と問われますが、

「野球選手としての星くんには興味はあるが、それ以外の星くんには全く興味がない。

反吐が出る!」と吐き捨て酒を煽り、同様に不参加。

 

頼みの綱の明子ねえちゃんの参加だけは信じていたものの、

当日に電報で「ザンネン ユケヌ」と一言だけ記し、不参加。

 

壁はペンキで彩り、特大のケーキを買い、大量の飲み物を揃え、

三角帽子をつけて楽しみに準備をしていたが、結局誰一人来ない。

 

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その時、オズマの幻影が飛雄馬の脳裏に浮かび、

「パーティーに誰も来ない。それは当たり前だ。クリスマスパーティーは人間同士でやるものだからだ。野球ロボットのお前のパーティーに参加するものはおらん!」と罵られ、飛雄馬は半狂乱になります。

「俺は人間なんだ、人間なんだぞ……」と泣き叫びながら飛雄馬のクリスマスは悲惨な結末を迎えます……。

 

いかがでしたか。軽佻浮薄な昨今のクリスマスとは一線を画すこのアニメ。

やはり60年代のアニメは違います。骨太です。

野球選手・星飛雄馬には興味があっても、人間・星飛雄馬には全く興味がない。

ライバルはともかくとして、それが血をわけた肉親であっても。

そんな話でした。

 

しかし、そんな哀れで可哀そうな飛雄馬ですが、野球選手として生きているだけでも

意味があると思います。

 

自分は金なし、職なし、女なし。ついでに若さもない。

そんな何もない人間であっても、せめて文学ロボットとして生きていけたら……。

 

順風満帆で全て満たされている奴らの書く小説なんてきっと面白くないさ。

何かが欠けているから人生は面白い。文学ってそういうもんなんだよ。

 

買ってよかったのは加湿器!

部屋が乾燥しない!

お題「#買って良かった2020