ミニにタコ

純文学作家志望者がつらつらと雑記を書き連ねます

ぼくらの未来は光にみちているか

今週のお題「もう一度見たいドラマ」

 

僕がもう一度見たいドラマ、それは野島伸司氏脚本の「聖者の行進」。

 

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野島氏は90年代に「高校教師」「人間・失格~たとえばぼくが死んだら~」などを手掛けた脚本家でいずれも高視聴率を叩き出したヒットメーカーである。

 

「高校教師」では教師と生徒の愛や同性愛、「人間・失格」ではイジメなど、

どれも重いテーマを扱い、視聴者に強烈な衝撃を与えた作品である。

 

その中でも「聖者の行進」は、工場で働く知的障害者たちが工場で雇い主たちに

暴力や性的虐待をされている姿を描いた、特に重いテーマの作品である。

何よりこれは実際の事件をドラマ化したというのだから驚きである。

主人公・いしだ壱成演じる町田 永遠の演技も神がかっており、難しい役どころを見事に演じており、紛れもなく名作である。

 

僕はもともと性悪説を信じる人間で、人間というのは一皮むけば、

皆ドス黒い悪の心を持っていて、人を傷つけることなど何とも思っていないと思っている。

(少し偏っているかもしれないが、実体験から来る意見である)

 

いや、作品では障害者たちは人間扱いされておらず、そういった意味では

自分たちが悪いことをしているという自覚すらないのではないだろうか。

それは最も恐ろしいことである。

 

この作品は琴線に触れるようなシーンが多く、自分にとって特別な作品となった。

 

スポンサーや自称良識派の視聴者たちを気にして当たり障りのない無難な表現ばかりする現代では、こういった人間の根源的な差別心を描くような作品は書けないだろう。

 

ぜひ、こんな時代だからこそ、今一度見てほしい作品である。