ミニにタコ

純文学作家志望者がつらつらと雑記を書き連ねます

今にも落ちてきそうな空の下で

世の中を動かしているものって何だろう。

大方の人の予想通り、結局のところ経済を回しているような資産家と、

沢山の人を従えさせられるような権力者が世の中を回しているんだろうな。

これは昔からずっとそうだったし、今現在もそうだし、おそらく未来もそうなんだろう。

 

社会に出てから自分の力のなさを痛感し、最近は力が欲しいと思うようになった。

権力なんて・・・と昔は思っていたが、世の中きれいごとばかり言ってても報われない。自分を守るためにも力がいる。

 

最近手塚治虫の「火の鳥」を読んだ。鳳凰編はその中でも別格の出来らしい。

隻腕の男・我王(がおう)が主人公で、周囲に疎まれ、殺人を犯すような人物だったが、

ある坊主と出会い仏像を彫ることを学び、捻くれた心が少しずつ直っていく物語だ。

と言っても安易なハッピーエンドではないのだが・・・。

 

主人公と火の鳥のやり取りで印象深いものがある。

 

「怒。怒。怒。俺の一生は呪いと苦しみと恨みに血塗られていた……」

「我王よ。お前だけではない。一千年前、一万年後の世の人間も全て怒りに

包まれた人生を送ったのです」

「なぜ?それはなぜ?なぜ人間はいつも怒り苦しまなければならないのか?

人間はいつまでこの苦しみと怒りが続く?」

「永久にです。そして我王、お前はその人間の苦しみを永久に受けてたつ人間なのです」

 

人間が存在する限り、苦しみと怒りは消えない気がする。

もちろん楽しいことや嬉しいこともあるのだろう。

しかし、人間の格差というのはいつの世もなくならず、特定の人間のみ快楽をむさぼっている気がする。

 

先進国の日本に生まれた自分でさえ、こんなことを思うのだから

貧困に喘いでいる国の人たちの苦しみはもっと激しいものだろう。

こんな世界ならいっそ塵芥に帰してしまえばいいのに・・・ともたまに思う。

 

 

特にオチはないのだが、最近どうもこんなことばかり考えてしまう。

人生に疲れているのだろうか?

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火の鳥

今週のお題「自由研究」